「悪」とは何か?

姜尚中の『悪の力』を買ってきて読んでいる。この本は、近頃起きた殺人事件の数々から書き起こしている。それにしても戦慄すべき恐ろしい事件の数々である。このなかから悪を取り出して考察するのであるが、驚くべき事件で、人々を震え上がらせた。
 そこから人間に潜む、悪の根源を極めようとする。だが、それはなかなか困難なことなのである。
 さて、姜尚中は、第一章の終わりでマックス・ウェーバーの『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』を引いて、いう。「精神のない専門人、心情のない享楽人、この無(ニヒル)のものは、人間性のかつて達したことのない段階にまですでに登りつめた、と自惚れるだろう」というように引くことで締めている。そして、第3章で、資本主義とその害毒を語るが、ここはなかなか読み辛い。