2009-01-01から1年間の記事一覧

『倭国』

三世紀から建国に至る日本を取り巻く、東アジアの情勢を丁寧に解いた本である。 これを読むと、邪馬台国がどこにあるのかは、歴史上重要ではなさそうな気がしてくる。神話のロマンティックな記述に頼らず、かといって隣国の大国の正史を無批判に読むこともな…

ドジョッコなど

*ドジョッコなど 池の表に氷が張って、きっとドジョッコやフナッコは、天井っこはったと思うべな。

阿倍仲麻呂

阿部の比羅夫は粛慎退治にかり出された。 「粛慎」と書いて「ミシハセ」と読ませる。 粛慎は、中国の文献に「弓をよくする人(々)」として出てくる。 そこで海からやって越を襲う人々に対し、大和朝廷にこれの退治を願い出た。 そこで比羅夫が派遣された。 …

ギング・ペレ

まずもって、この方は風格が違う。 ワールドカップで活躍したのは、俊足とジャンプ力のせいだけではない。 広い視野の下に、サッカー的な知性を輝かせた。 サッカー以外でも活躍の場に事欠かない。 女性関係でも、数々の実績?があると噂されるが、そこはご…

ノモンハンとは何か

外モンゴル、内モンゴル、それからソ連に渉、モンゴル族の原郷。 こう書くことが既に、何らかの問題を含むかもしれない。 田中克彦の『ノモンハン戦争』を読んだ。 ここにも辻政信という、行方知れずになった政治家の名前が出てくる。 それについても、未だ…

マンガ評論は可能か3

東浩紀に嗾されるようにして、シミュラークルについて、またはボードリヤールに興味をもち、これらを検索した。まがい物があふれる時代に、これに戯れながら生きるということ、これは何者も避け難い。そこでは、取り立てて〈本もの志向〉を叫んでみても、こ…

ガンバレ!(シリーズ2弾-天木直人)

久々に天木直人のことを、想い出した。それというのも、メールでもらったニュースで最近の活動を知ったのだ。http://www.amakiblog.com/右のURLに詳しい。キーワードは「独立外交官」である。それはどんな仕事をするのか、サイトで当たって欲しい。 その…

上京すると芝居が観たくなる。 今回は「新宿梁山泊」 井の頭恩賜公園西園で、紫テントを張って公演する「新宿梁山泊」を観に行った。 アクセスは、JRがいい。 ホテルのある半蔵門から神田神保町へ出て、そこで三省堂のトイレへ入った。 暑い夏で体力を直撃し…

土肥信雄よ、ガンバレ!

テレビ朝日系メーテレの、月曜日夜七時の番組『ドキュメンタリ宣言』で、都立三鷹高校の校長先生、土肥信雄を取材したドキュメンタリー番組を放送した。 この人の生き様に感銘を受けた。 どういうところに感銘を受けたかと言うと、己の信念を貫くために、東…

三光作戦

半世紀も前のこと。そんなのがあったんだ。 中国の三交という都市の近くで、その作戦は行われた。詳しい事情は『記憶にであう』(大野のり子著 未来社刊)に詳しい。 そこは黄河の近く。黄河がモンゴルに向かって北上し、また南に箱型に降りてくる、その北か…

滬上の事情

タイトルにある「滬」とは上海の古い地名のことである。このところ、なんとも精神の不安定が来しているのは、堀田の『上海日記』から来るせいかしら。 などと他人のせいにしようという、下劣な品性が顔をもたげてくる。 さて、『上海日記』とは、正確には『…

ロケットの頭

何が入っていたか知らないけど、ねえ。どうせロクなもんじゃないよ。総領様の頭ん中と同じだと世間は思ってるよ。ようは空っぽか、がらくた。まあ、飛ばす精度が高まったとこだけは認めよう。考えてみりゃあ、パンと撃った弾を、迎えて狙い撃ちする何ざぁ、…

マンガ評論は可能か2-アトムの目覚め

浦沢直樹のマンガ作品『プルートウ』の、ナンバー7が出た。 かって 『 これは鉄腕アトム生誕を記念した企画作品である。鉄腕アトムは手塚治虫が手がけた爆発的なヒットをしたマンガの記念碑的な作品で、浦沢は作中の二千三年に鉄腕アトムが誕生していること…