2008-01-01から1年間の記事一覧
小説にもならない断片を「微説」と呼ぶことにする。いずれにせよ、未だ生まれない出来損ないで、これから生み出すか否かはこのご本人次第ということだ。 部屋の片隅で箱のLDが点滅する。このあいだ、機器の接続をなしとげられずに、あきらめて放置したまま…
オレは、モクシロトを感じる。 モクシロトとは、黙示録の人というような意味で名付けたものだ。こいつは、そもそも闇の存在なのだ。この黒子が部屋のどこかに潜んでいているような、何かオレは常にこいつの気配を感じている。いまのところ未だ襲いかかってこ…
とてもものぐさに生きてきて、そういう自分でも拘泥って自画像を映したいなどと思う心根を書くこと。そういう中に遍歴するものがあるのかないのか、他の登場人物も関わらせて、なにか倒錯めいたものをかき集めてみる。そうしてひとりの人造人間でも動き出せ…
河野さん家の奥さんの澄子さんが亡くなったという記事を観て、もう二三日が経つ。思えば松本サリン事件の第一発見者だった河野さん。後から思えば如何にも実直そうなお人柄。それが、当初毒ガス事件の犯人にさせられてしまった。私はそのときしきりに河野さ…
イギリスで日本語教師をしているMさんがお客さんとしてやって来た。 そこで「エクソフォービア」といったら、言い間違いで「エクソフォー二ア」でも通じないままだった。そこでネットで検索して、「エクソフォニー」。 確か多和田葉子さんが著書のタイトルに…
ニュージャックスウィングは、テディー・ライリーの発案のブラックミュージックだ。ノリがよくって、それこそスウィングするのである。80年代のヒップホップブームでブレークしたボビー展ブラウンを起用して大きくヒットした歌とダンスである。この頃のボビ…
朝から暑い日が続く。沢山夢を観る夜がある。昨晩というより、今朝の明け方ぐらいかな。夢の中でのこと。僕を狙う刺客がやって来て、そいつを返り討ちにしてやった。そして、歯向かってこないように止めを刺してね、首をはねた。その刺客が持ってきた刀で、…
マイザウリのできそこないどもを披露するに忍びないが、彼らに日の目を与えることも生みの親の仕事と心得て、敢えて恥を忍んで開陳するものである。これら我が身の分身を世の眼に曝すに忍びない。だが《日の目を与える》こと二、何らかに意味を見いだそう何…
A : 今日は、お疲れ。 B : 今日みたいな、雨降りはきらいじゃあないな。 A : そうそう、お客さん来ないよ。 B : だから、のんびりしていてよいかなぁ。 A : 経営も心配だよ。 B : そこで、ヒップホップについてだよ。 A : いまね、教室で踊る曲名は、EXILEの…
若い人が涙が出るほど羨ましい。 エイプリルフールを実に楽しんでいる。 なのに嘘一つ吐くけなかった私、…。 これは嘘なんだけど。 とても悲しい嘘、ぎこちない嘘で間に合わせていた。できることならエイプリル週間として、もっともっと長く嘘をついてもいい…
知り合いのYがホームレスになって、炊き出しに並んでいた。 それと教えてくれた人が居たのだ。 その後、別のところで彼が見つかった。 なんでも、Yは(ホームレスの上に)更に病気になっていたとか。 「(肺癌になって)病院に居た」 とのことである。 母親…
漁船をまっぷたつにしたのは砕氷船だったっけ、それともタンカーか、コンテナ船か、豪華客船か、レジャーボートだったかもしれないな。千葉県・野島崎沖で起きた海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の海難事故である。 沈没漁船の乗組員たちは…
受け手は誰か。 この文章一つ、誰が読んで受け止めているのだろうかを考えてみる。 例えば、深夜寝静まった街の、その、つい窓の外を怪物が蠢いて、動き回っているかもしれないのだ。では、徘徊するものとはいったい何物か。いま頻りに話題となっているウェ…
「集団自決」は我が国の軍事史に於ける、忌まわしい出来事の一つである。 このなかに座間味村の証言がある。これは、「村長自らが、自発的に〈自決〉を申し出た」ということになっている。公には村長の申し出が歴史的な事実として印象づけられているのだろう…
かって、学生運動が激しく荒れた季節があった。 六十年から七十年代にかけての頃である。 その頃の学生運動の方針は、革命を志向し、少しく荒唐無稽なところがあった。 ところで、よくも悪くも京都は狭い。 そんなところへたくさんの大学がひしめき合う。あ…
近頃世界経済の展望の中で「サブプライム問題」なんてことをいっているが、アメリカの時代が終わったという単純な事実だよ。とっくの昔に終わっていたものを、金融工学か何かで引き延ばししてきただけに過ぎないじゃないの。 BRIsCなどの新興国が勢いを…
年が明けたら急に「地球温暖化」かよ。 いまここに「壊れハンマー論」ということを提唱したたい。 これは、出ている釘を打つのに、素手でやるかということだ。 誰にも分かっていることだけど、道具がいるだろう。 釘を打つならハンマーだよ。 もしもハンマー…